2005年 11月 12日 (土) 21:57

材質 及び、熱処理
by 鶴城屋

前回までは、歯車の用語説明ばかりやってきた感がありましたので、
今回は趣向を変えました(^^;


・材質
歯車を製作する場合、材質といっても様々あります。
鉄、ステンレス、アルミ、真鍮、樹脂、などなど
この中で、強度的に一番理想とされるのは、クロムモリブデン鋼です。
(いわゆる SCMとかSNCMとかです)
この材質の一番の特徴は、組織内部に「ねばる」特徴があり、
強力な力を伝達する歯車にはもってこいなのです。

反面、デメリットとしては
「ねばり」ため切削加工の難易度が高いことと、鋼材コストが高いことです。

剛性の高い機械装置には、
こういう剛性の高い歯車が用いられていると思います。


・熱処理
熱処理とは、金属に熱を加え組成を変化させることです。
一般的に「焼き入れ」と呼ばれているものに当たります。
主に硬度を上げたり、応力を取ったりするのに用いられます。

前述に挙げた歯車などは、歯面の噛み合う部分には強力な力がかかってきます。
そのとき、歯面の硬度が低いと すり減って摩耗していきます。
ひどい場合は歯の欠損に繋がります。

ただし、
硬度が高いだけで ねばりが無ければ、ポッキリと折れてしまう場合があります。

なので、
歯面は硬度は高く、歯車内部は ねばりがある…こういう歯車が強度的に良いと言われております。



ちなみに、弊社では 普段からSCM材を加工しているので、
「ねばり」ため切削加工の難易度が高い? とは 全然感じません(^^;;
アルミとか真鍮のほうがよっぽど難しいと感じますね…


ではでは、次回に続く…






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