先端歯車加工の実習、続きです。
歯車加工の分野では、ドライカットが先端分野です。
(ドライカットとは従来の切削油をまったく使わずに 高速加工すること)
↑今回の実習機 KN151 CNCホブ盤です。
量産用の治具が ワーク中央に付いております(コレット式)
下方向に治具を引っ張るシリンダも油圧クランプ
上方向からのセンターサポートも油圧クランプ
端面精度(平行度)がモロに影響する 治具方式です。
↑ハイスホブ ドライカット
このヘリカルギア (同巻クライムカット)
歯切り時間のサイクルタイムは 20秒ぐらいです。
素材はふつーの生材の鉄(SCM415)です
従来のウエットカットでは1分30秒ぐらいは 掛かるんじゃないかな
ただし、ドライカットは切り粉が歯面にキズを付ける問題があります
写真をよく見てもらうと、歯面に若干見受けられます。
(このサンプルは 歯切り後→浸炭→仕上げ工程となるんで良い)
この切り粉処理が 今後の発展課題だとの事でした。
まぁ…
2度切りすれば まずキズは付かないですけどね(^^;; 1度切りでサイクルタイムを縮めようとすることです。
てか、あっという間の加工終わるから凄すぎ
↑超硬ホブ ハードホビング仕上げ
浸炭済みのギアに、超硬ホブにて仕上げるもの
(通称、超硬ホブさらえ切り)
従来までは 歯面研磨に頼ってきた歯車の仕上げ工程を ホブにて短時間にやってのける加工法
歯車精度は 旧JIS1級は出るとのこと
いやー、ほんと綺麗に仕上がってます。
この分野は、将来我が社も導入したい分野であります。
最後に
↑工場内にあった KS-600
KS-600は、初めてマジマジと機械を見た。
KR-1000よりも大きいです、ホブアーバーのメタルの作りとかが。
ん?まてよ、KS-600は久留米高専にもあったかな?
こういう大きな生産ホブ盤はめったにみないですから 凝視してきた!
話は変わりますが、
九州福岡では、県が「自動車150万台計画」とかいうことを掲げて、
地元企業にも自動車産業に携わるよう 誘導しております。
まぁ、ウチのような零細町工場でも 量産向けの設備&人員があれば、月6000個とか可能だと思いますが
(現に福岡地域の歯切り屋さんでは行っておりますし)
オイソレとは 実行できない面があります。
そこで目を付けなければならないのが、
量産用の治具だと思う次第です。
前述の歯車加工実習機で使用した治具も、130〜150万ぐらいするとかおっしゃってましたし、
小ロットの治具なんかは 狙い目じゃないかと思う訳で、
そういう面からしても、
量産用の治具の仕組み・精度設計の手法・重要な段取り箇所を 実習でお目にかかれたことは、予想外の成果物でした(^^)
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by 鶴城屋
│2007/01/22 01:54
│仕事(その他)