先端歯車加工の実習、続きです。
(先月 富山の不二越さまに実習行ったときの内容)
※すんません、サボってまとめ記事書いてませんでした…orz
まず、実習内容を先に書いておきますと、
ホブ切り実習と
フォーミングラック転造加工実習の
2つがメインでした。
※フォーミングラック転造加工とは?…
いわゆる転造によって歯車を作ってしまう加工法
フォーミングラックという専用の刃物を用いて、高能率高精度に
加工できるので、自動車部品分野などに多く導入されている
ではでは、ホブ切りから
↑今回の実習機も KN151 CNCホブ盤でした。
写真の上の方を見てください。
なんと!!!? モニター画面があるじゃありませんか
まさにデモンストレーション機
ホブ切りの加工を モニタリング出来る仕組みになっております。
すげー!
(機械内部にカメラが設置されてて その画像を表示してる)
↑ドライカット比較
左の写真が3条ホブ、右の写真が1条ホブ で加工したもの
今まで、こうやって比較してみたことはなかったので、非常に興味深かったです。
ホブ条数が増えることのメリット・デメリットは それぞれ有りますが、3条ホブドライカットでも かなり綺麗な切削が出来ているのがよくわかります。
さて、お次は フォーミングラック転造加工
↑この機械です PFM-610E
これがまた驚愕の加工法です。
転造はやっぱり 加工が早いのが特徴
実際 ワークを加工機に乗っけて加工したんですが、「あっ」という間にインボリュートセレーションが出来上がってしまう。
↑展示サンプル
自動車部品のものみたいです。
見ていただくとわかりますが、インボリュートセレーションやインボリュートスプラインが軸に切ってあります。
こういう形状のものを、ホブでちまちま切削していたら、全く持ってコストが合いませんね(^^;
じゃあ、肝心のフォーミングラックってどんなの?
↑こんなのです。
両側に、ハイスに近い材質の刃物がラック形状凸凹してますね?
真ん中の丸いワークが、被加工のシャフトです。
↑動く方向は、こんな感じです。
まさにー量産向き
このフォーミングラック刃は、結構なお値段するものと思われます。
なんたって、技術の固まりみたいな代物です。
被加工側のシャフトは両センターで保持してるだけっす。
両側から力を加えてやり、素材を
塑性変形しちゃいます。もちろん切削粉は出ません。
転造加工といえば、ネジの転造などは 多くの工場で見かけることが出来ますが、こういうラック形状の刃ではなく 転造駒が多いです。
駒形状ではなく、
ラック形状の転造にするメリットは、転造中の被加工物に対する噛み合い率(接触率)が良いため 加工精度・面相度が極めてよくなるから…だそうです。
もちろん、インボリュートセレーション加工だけではなく、ネジ用のフォーミングラックを用いればネジ加工が出来ますし、小モジュールのウォームギアも加工可能ですね。
デメリットというか弱点を挙げれば、
・大モジュールの転造はできない(大きいの無理なのは当然…)
・圧力角25度未満は難しい
・高硬度材には適しない
などです。
↑まぁ、素材を塑性変形するのですから、当たり前ちゃー当たり前なんですが(^^;
とまあ、転造加工による加工法は非常に勉強になりました。
あと、以下は実習では使わなかったのですが、
ブローチ盤が展示してあったので、興味津々とばかりに撮ってきました。
↑ハードブローチ盤
ハードブローチ加工とは、焼き入れ後に ブローチでさらえ切りして仕上げ切削を行う加工法。
研磨するより 大幅にコストダウン出来ちゃう。
↑こっちはヘリカルブローチ盤
NC制御でヘリカルスプライン(メス側)が出来ちゃう。
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by 鶴城屋
│2007/03/12 02:50
│仕事(その他)