2007年 3月 12日 (月) 02:50


富山へ2泊3日 その2
by 鶴城屋

先端歯車加工の実習、続きです。
(先月 富山の不二越さまに実習行ったときの内容)

※すんません、サボってまとめ記事書いてませんでした…orz


まず、実習内容を先に書いておきますと、
ホブ切り実習と
フォーミングラック転造加工実習

2つがメインでした。

※フォーミングラック転造加工とは?…
 いわゆる転造によって歯車を作ってしまう加工法
 フォーミングラックという専用の刃物を用いて、高能率高精度に
 加工できるので、自動車部品分野などに多く導入されている

 
ではでは、ホブ切りから


↑今回の実習機も KN151 CNCホブ盤でした。

  写真の上の方を見てください。
  なんと!!!? モニター画面があるじゃありませんか

  まさにデモンストレーション機

  ホブ切りの加工を モニタリング出来る仕組みになっております。
  すげー!
  (機械内部にカメラが設置されてて その画像を表示してる)



↑ドライカット比較

  左の写真が3条ホブ、右の写真が1条ホブ で加工したもの
  今まで、こうやって比較してみたことはなかったので、非常に興味深かったです。
  ホブ条数が増えることのメリット・デメリットは それぞれ有りますが、3条ホブドライカットでも かなり綺麗な切削が出来ているのがよくわかります。


さて、お次は フォーミングラック転造加工


↑この機械です PFM-610E

  これがまた驚愕の加工法です。
  転造はやっぱり 加工が早いのが特徴

  実際 ワークを加工機に乗っけて加工したんですが、「あっ」という間にインボリュートセレーションが出来上がってしまう。



↑展示サンプル

  自動車部品のものみたいです。
  見ていただくとわかりますが、インボリュートセレーションやインボリュートスプラインが軸に切ってあります。
  こういう形状のものを、ホブでちまちま切削していたら、全く持ってコストが合いませんね(^^;


じゃあ、肝心のフォーミングラックってどんなの?


↑こんなのです。

  両側に、ハイスに近い材質の刃物がラック形状凸凹してますね?
  真ん中の丸いワークが、被加工のシャフトです。


↑動く方向は、こんな感じです。

  まさにー量産向き
  このフォーミングラック刃は、結構なお値段するものと思われます。
  なんたって、技術の固まりみたいな代物です。

  被加工側のシャフトは両センターで保持してるだけっす。
  両側から力を加えてやり、素材を塑性変形しちゃいます。もちろん切削粉は出ません。

  転造加工といえば、ネジの転造などは 多くの工場で見かけることが出来ますが、こういうラック形状の刃ではなく 転造駒が多いです。
  駒形状ではなく、
  ラック形状の転造にするメリットは、転造中の被加工物に対する噛み合い率(接触率)が良いため 加工精度・面相度が極めてよくなるから…だそうです。

  もちろん、インボリュートセレーション加工だけではなく、ネジ用のフォーミングラックを用いればネジ加工が出来ますし、小モジュールのウォームギアも加工可能ですね。


  デメリットというか弱点を挙げれば、
  ・大モジュールの転造はできない(大きいの無理なのは当然…)
  ・圧力角25度未満は難しい
  ・高硬度材には適しない

  などです。

  ↑まぁ、素材を塑性変形するのですから、当たり前ちゃー当たり前なんですが(^^;


とまあ、転造加工による加工法は非常に勉強になりました。




あと、以下は実習では使わなかったのですが、
ブローチ盤が展示してあったので、興味津々とばかりに撮ってきました。


↑ハードブローチ盤

  ハードブローチ加工とは、焼き入れ後に ブローチでさらえ切りして仕上げ切削を行う加工法。
  研磨するより 大幅にコストダウン出来ちゃう。



↑こっちはヘリカルブローチ盤

  NC制御でヘリカルスプライン(メス側)が出来ちゃう。

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