2006年 10月 1日 (日) 02:12


熱処理「焼きならしと焼きなまし」
by 鶴城屋

機械加工の前処理として、熱処理をすることがあると思います。
私が駆けだしの頃、
特に疑問だったのは「焼きならしと焼きなまし」の違い( ゜Д゜)?


会長(親父)に聞いても「どっちも同じだろ」という答しか返ってこないw
よく似た言葉だから仕方ないのかもしんないけど(^^;;


金属材料を適当な温度に加熱し、その後 徐々に冷却する熱処理である。
機能的にはよく似ている…
説明としては「結晶を細分化して機械的性能を改善する」
まぁ簡単に言うと、
バラバラに分布してる結晶を再結晶させてやって、キチンとした結晶の状態にすること。

どうしてそういうことする必要があるのかと言うと…
鋼材は、熱間圧延後空冷をした状態であるのが普通だから。
(製鉄所のなかを 赤い鉄の棒が出てくるのは 熱間圧延しているのだ)

また、鍛造においても、冷間圧延にしても
外部からの加工により、どうしても鋼材内部に「応力」が発生する。

残留応力がある場合、別の熱処理(高周波焼入など)をした場合 焼き歪みの増大・焼き割れ が生じることになる。
 
 
焼きならし(Normalizing)焼準(しょうじゅん)とたまに言う
英語ではノルマライジング、記号では(N) ※←修正しました
図面上で S25C-N とか S45C-N と書いてあったらコレ
処理としては、「材料を再結晶温度以上にした後 大気中で放冷する」


焼きなまし(Annealing) 焼鈍(しょうとん)とも言う
英語ではアニーリング、記号では(A)
図面上で S25C-A とか S45C-A と書いてあったらコレ
よく 鍛造された炭素鋼に指定されてる場合が多い
処理としては、「材料を再結晶温度以上にした後 炉中で除冷する」


歯車加工の世界において
鍛造された鋼材は、大抵の場合 焼きならしか焼きなましされる
(大径ギアに多い例)
逆に、丸鋼の場合、調質を行う事が多い
(小径〜中径に多い例)

調質(Hardening)
英語ではハーディング、記号は(H) マルHと呼ばれることが多い
処理としては「焼き入れ・焼き戻し」と同じ
鋼材に 硬度と靱性をもたせる為に やる場合が多い。


※余談だが、先日 S15C-K って材料指定の図面に出会った。
(K)って何だ?ってことで 材料屋に聞いたら、
浸炭用として規定されてる鋼材らしい
Kとは高級(Kokyu)のKなのです。(ローマ字からかょ!?)

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