2005年 9月 15日 (木) 00:12

モジュールはなんとなく分かったけど、DPとかCPとかは何? 似たようなものなの??
by 鶴城屋

DPとかCP も 歯車の規格(歯の大きさ)の一種です(^^

まず、DP(ダイヤメトラルピッチ)からですが、
これはインチ規格にもとづいたものです。
簡単にいうと
「1インチのピッチ円直径の歯車の中に、歯がいくつあるか」
となります。

モジュールの場合は、
「ピッチ円直径を歯の数で割ったもの」
だったので、数が大きくなればなるほど、歯も大きくなったんですが

DPの場合は、
逆に、数が大きくなればなるほど、歯は小さくなります。

計算式で表すと
C=(25.4 / DP)×z です。
(C:ピッチ円直径 z:歯数 1インチ=25.4ミリ)

外径だと
d=(25.4 / DP)×(z+2)
(d:外径 z:歯数)

に なりますね。


次にCP(サーキュラピッチ)ですが、
主に、ラックとピニオンギアの組み合わせで使います。

直線的なラックの上を ギアを移動させるときに
モジュールですと ギアを一回転させたときに整数値になりません。
計算式ですと
ギアを一回転させたときの移動量=π×m×z
(π:円周率 m:モジュール z:歯数)

これを、ぴったりの整数値にしたものがCPギアです。

ということで、
ギアを一回転させたときの移動量を、歯数で割ると 一つの歯あたりの移動量となります。
すなわち、一つの歯あたりの移動量をCPで表します。
(CP5 とか CP10 とか)

ピッチ円直径からではなく、一つの歯あたりの移動量から算出されたものと言えるでしょう。


まだまだ、次回に続く(^^;;


2005年 11月 12日 (土) 21:57

材質 及び、熱処理
by 鶴城屋

前回までは、歯車の用語説明ばかりやってきた感がありましたので、
今回は趣向を変えました(^^;


・材質
歯車を製作する場合、材質といっても様々あります。
鉄、ステンレス、アルミ、真鍮、樹脂、などなど
この中で、強度的に一番理想とされるのは、クロムモリブデン鋼です。
(いわゆる SCMとかSNCMとかです)
この材質の一番の特徴は、組織内部に「ねばる」特徴があり、
強力な力を伝達する歯車にはもってこいなのです。

反面、デメリットとしては
「ねばり」ため切削加工の難易度が高いことと、鋼材コストが高いことです。

剛性の高い機械装置には、
こういう剛性の高い歯車が用いられていると思います。


・熱処理
熱処理とは、金属に熱を加え組成を変化させることです。
一般的に「焼き入れ」と呼ばれているものに当たります。
主に硬度を上げたり、応力を取ったりするのに用いられます。

前述に挙げた歯車などは、歯面の噛み合う部分には強力な力がかかってきます。
そのとき、歯面の硬度が低いと すり減って摩耗していきます。
ひどい場合は歯の欠損に繋がります。

ただし、
硬度が高いだけで ねばりが無ければ、ポッキリと折れてしまう場合があります。

なので、
歯面は硬度は高く、歯車内部は ねばりがある…こういう歯車が強度的に良いと言われております。



ちなみに、弊社では 普段からSCM材を加工しているので、
「ねばり」ため切削加工の難易度が高い? とは 全然感じません(^^;;
アルミとか真鍮のほうがよっぽど難しいと感じますね…


ではでは、次回に続く…


2005年 10月 16日 (日) 21:20

歯車の種類には何がありますか?
by 鶴城屋

「歯車について」…久々に更新です。

歯車の種類には何種類かに分類されます。
設計上からみた分類の仕方として、歯車軸による分類の仕方があります。


1. 二軸がお互い平行である歯車
  平歯車(スパーギア)
  はすば歯車(ヘリカルギア)
  内歯車(インターナルギア)
  ラック&ピニオン

2. 二軸が一点で交わる歯車
  すぐば傘歯車(ストレートベベルギア)
  曲がり歯傘歯車(スパイラルベベルギア)

3. 二軸が平行でもなく交わりもしない歯車
  ねじ歯車
  ウォームギア
  ハイポイドギア


「二軸がお互い平行」というのは、
動力を平面平行方向に伝達・増減速にするものです。
円筒歯車とも言われます。
比較的設計も易しく、イメージも想像しやすいです(^^

「二軸が一点で交わる歯車」とは、
ベベルギアに代表されるように、二軸の角度を自由に変更できます。
実際は直角に交わる物がほとんどですね。
また、傘歯車の歯数が同じ物同士で 直角に噛み合うものを、マイタ歯車 といいます。

最後に「二軸が平行でもなく交わりもしない歯車」とは、
軸をねじれさせてたものです。
特にウォームギア&ウォームホイルの組み合わせだと、大幅な減速が出来ます。
また、自動車のトランスミッションによく使われるのが、ハイポイドギアです。
これは、傘歯車の交わり点をずらした構造になります。
これも大幅な減速用として使用されるのが多いです。


次回に続く。。。






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